――やっぱり、おいしいワインをおごってくれるような男性じゃなきゃイヤとか、いろいろ条件があるんでしょうか。

【梨香】でしょうね。JALは2人に1人は離婚しているし、独身も多い。3回までは離婚OKと言われています。今回辞めたのは結婚して子供がいる人か、おうちが裕福で「実家に帰ってのんびりしたい。ママのご飯を食べたい」なんていう人。といっても48歳とかですけど。

ただ、バツイチのシングルマザーとかは本当に大変みたいですね。

【絵里子】本当に何もかもが厳しくなった。私が若いころは行きも帰りもタクシーだったのに、今は始発電車にごろごろカートをひきずって乗って、それからブリーフィングなども含めて20時間勤務ですから。羽田や成田のそばに引っ越している人も多いです。

【麻衣】私も体で感じていますね。08年のロサンゼルスへのフライトは2泊だったのがいまは1泊3日になった。体力的にすごくきつい。

【梨香】破綻してから世間の目も厳しいです。成田の免税店で化粧品を買うのもダメ。制服で空港の鮨屋にいたら「国の税金で贅沢するな」って絡まれた同期もいる。もちろん「がんばってね』って優しく声をかけてくれる方もいますけれど。

ステイ先の買い物や食事も、派手な行動は慎むようにと言われました。耳につける真珠のピアスも6ミリ玉から5ミリ以下に制限されて、ヘアスタイルも、高い髷のできる「夜会巻き」は禁止です。

でも、チーフが真面目な顔で髪に定規をさして、「2.5センチね」ってやっている会社もどうかと思うんですよ。世間に叩かれるからといっても、髷が低くなって、真珠が1ミリ小さくなったらお客様が喜ぶのかしら。努力の方向が違っているような気がします。