――他の航空会社とか、ANAに行くという選択はないのでしょうか?
【絵里子】外資は最近、格安航空会社に近い状況で待遇がひどいみたい。ANAはたとえ仕事があっても、行きたい人は少ないかも。みんなANAとJALと両方受かっても、ANAを蹴ってきているからプライドが許さない。
あと、ANAはJALよりいろんな面で厳しいらしくて、機内で飲む水も自分で買って入る。JALから行くと勤まらないくらい辛いらしいですよ。だいたいANAのCAが若いのだって、30代で肩たたきがあるからですよ。
【咲子】11月で辞めた同期は、まだ誰も次は決まっていませんね。ショックが大きくて、心の整理がつかないという人もいます。私は、何年も前に休暇を利用して化粧品の販売員の資格をとっていたので、辞めた次の日から働き始めました。でも収入は月に20万もいかない……。
【絵里子】やっぱり結婚していないと、辞めてもなかなか生活できないですよね。48歳で独身の先輩は代官山に住んでいて、辞めたから、もっと安いところに引っ越ししたいんだけれど、次の仕事が決まらないと引っ越しもできないと嘆いていました。家族にも次の仕事が決まるまで言えないって。
【梨香】私の夫はアート関係の仕事で独立したばかり。これから私が飲食の仕事をして支える予定なんです。実は休みの度に飲食店に必要な資格は着々ととっておいたんです。
【麻衣】CAは資格好きだけれど、家で料理とかパンのお教室とかを開けるような人は、やっぱりお金持ちの奥さん。ある人はエステの資格をとって自宅サロンを開いたんですが、自分もサロンを開きたいCAが続々習いにきているそうです。
なんだかんだ言って、私の周りも既婚者はほとんど、最低でも年収1000万円以上の人と結婚してます。逆に、それくらいの人じゃないと結婚しない。
【咲子】ちょっと前は、CAの結婚式で、仲間が制服を着て、2人の結婚をフライトに見立てて「寿アナウンス」とかやってたんですよ。「機長は○○、チーフパーサーは……」って。
【絵里子】昔は鶴丸マークを背負っていたら、それだけでモテたんです。バブルの頃は、CA全員の名前やスケジュールを知っていて、フライト毎に高級店のケーキを差し入れてくれる謎のおじさんとか、CA全員にヴィトンのバッグをプレゼントしてくれる人とかいたんですよ。