社会人に必要なことは全部イベント運営から学べる

最近は、立教大学経営学部・中原ゼミの学生に、イベントを企画して、そのプロセスを通して学ぶ機会をもうけています。僕の研究室の研究テーマは人材開発、組織開発です。そこに所属している大学院生には、人材開発などの調査や分析をなすだけではなく、ひとが出会い、学び、対話できる場を、みずから創り、ファシリテートしてもらいたかったのです。

「ラーニングバー」の仕組みについては『知はめぐり、人がつながる場のデザイン』(英治出版)に詳しい。

イベントをやると本当にいろんなことが学べます。たとえば、まずコンセプトを決める。お客さんの気持ちになって想像する。どうやって集客するかも考える。さらに、イベントの文法もつくっていかないといけない。こうしたすべてが他者のニーズや感情の動きを想像するトレーニングになります。

かつての僕は、こうしたイベント企画・実施を、中原研究室に所属する大学院生たち、関連分野の大学院生たちとチャレンジしていました。去年からは、立教大学経営学部で、学部生たちとさまざまなチャレンジをしています。今年の2年生は、2020年3月に、金融庁、きらぼし銀行との共催で、学びのイベントを企画しています。

僕は、「学びのイベントづくり」のなかには社会人に大切なものはほとんど入っているといっても過言ではないと思います。こうした試みに賛同し、協力してくださる組織とともに、イベントを通じて、学生たちの成長を支援していきたいと願っています。

(構成=プレジデント社書籍編集部)
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