支払いは必ず振り込みにする

書面には、支払うべき金額や「今後の請求を一切しない」ということを明記しておく。そうしないと、当事者双方に「終了した」という自覚が生まれないのみならず、法的にもさらなる要求ができる余地が出てくる。

最近は、こういった合意において「SNSなどへの書き込みを削除し、今後においても掲載しない」などといった取り決めを入れることがある。ケースによっては、「第三者に交渉の経緯や内容を口外してはならない」という取り決めまで含めることもある。

会社として困るのは、「あの会社からいくらもらった」という一部の事実だけが周囲に広まることである。「あそこは言えばお金が出てくる」という印象を広めるわけにはいかない。こういった書面の作成において、クレーマーは「金銭の支払いがある」という点に意識を集中している。だからこそ、書面を作成する際には、できるだけ会社にとって有利な条項を盛り込むようにする。クレーマーも柔軟な姿勢を見せやすい。

ここは将来においてのポイントになるので、事前に弁護士に合意内容を確認してもらうべきだ。せっかく書面を作成しても落ち度があれば意味がない。相手に対する支払いは、できるだけ現金の授受を避けて本人名義の口座への振込みとする。

現金の授受の場合には、相手が受け取るだけ受けとって領収書を用意していないことがある。訴訟になっても「もらった覚えがない」と言われたら終わりである。振り込んだ証拠が残るように振込にしたほうがいい。クレーマー対応の終止符には、それなりのこだわりを持つべきだ。

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