髪の毛が抜けても“接客”を続ける

こんな感じ。新しい抗がん剤をはじめたところで、髪の毛はまた抜けてきている。前の抗がん剤のときに一度抜けて。いまはまた新しい薬になって。抜けはじめた。白髪染めしたいけど、意味ないし。

抗がん剤治療は2度目「抜けた髪の毛集めて、ボールにして遊んでいるの」と笑う。

こんな姿だけど、店で接客してるんですよ。接客というか、ちょんの間なので売春ですね。ふふふふ。店は真っ暗だから相手が全然見えないし、なんとかなる。

風俗は自分の気分転換にもなるし、悪くない。ずっと家にいると、ずっとひとりきり。基本的にいい客が多くて、かわいい子でよかったとか、細い子でよかったとか褒めてもらえることもある。どうも、どうも、みたいな。

現在、末期がんを抱え、東京オリンピックを見ることができるか微妙だろう。大変厳しい状態だが、本人はそれなりに明るく悲観的な言葉はなかった。

昔から早く死ぬだろうなって思っていました。30歳くらいには死ぬだろうって子どもの頃から思っていたし。いいにくいけど、高校生のときメチャクチャモテていたんです。

美人薄命だからおまえは30歳には死ぬわって、男子にめちゃいわれていて。30歳超えたとき、あれ死ななかったって。それと、子どもの頃からかわいいねみたいな。初孫で親戚とかから、毎日毎日かわいいねって。チヤホヤされてきたんで。

お金のかからない死に方をしたい

歩くのもゆっくりで、食べるスピードも遅い。病人で体力ないのは一目瞭然で、いま少し話しているだけで心配になるほどの状態だった。今日は木曜日だ。こんな状態でも、明日出勤して、ちょんの間の部屋で2泊して、客がつけば暗闇のなかで接客する。

——仮の話だけど、仮に死んじゃうとする。どういう気持ち?

うーん、正直な気持ちはね、もうちょっと保険かけて自分が死んだときに家族に残せるお金があったほうがよかった。一人っ子ではないので。妹もいるし。

——自衛隊の男がいなかったら、こんなことにならなかった……。

もしで考えたらキリないけど。もしかしたら、そうかも。でもいまをマイナスに感じているわけじゃない。ガンでカラダ動かなくなって入院しているわけでもないし、ネットの友達もいて、親の助けもある。恵まれているなって思う。

——余命はでているの?

わからない。抗がん剤は点滴センターって専用の部屋があって、そこでみんな点滴受ける。そこにおじいちゃんがいて、いつのまにか死んじゃってた。たぶん私も、あの子死んじゃったって思われるんだろうなって。

その光景が客観的にみえるというか。だから、身近な人が悲しんでくれればいいかな。それだけ。