AVがセックスの教科書化している

私は、AVが日本を駄目にしている部分が多分にあると思っています。性教育が盛んではない日本で、AVがセックスの教科書化している現状は変えなければなりません。

本橋信宏 著●AVの帝王と呼ばれた裸の男の、壮絶な半生(ノンフィクション)。ネットフリックスで映画化された。(太田出版)

しかし同時に、彼はAVという「産業」を生み出し、ひとつの時代を築きました。AVがなければ表舞台に出てくることのなかった、紗倉まなさんといった女性たちが活躍しているのも事実です。彼の功罪は非常に大きなものだと言えるでしょう。

悪いけれど嫌いになれない、どんなに悪いことをしても信者が消えない、という人は存在します。周囲を巻き込むわけのわからないエネルギーを持っている人、とも言えるでしょう。今の時代に足りないのは、こういうエネルギーではないでしょうか。

全裸監督』を読んでいると、計算不能の妙なエネルギーを感じます。やっていることは無茶苦茶と言うほかありませんが、不思議な魅力を感じてしまうのは、彼が真剣にやっているからかもしれません。

経営理論と、経営持論は、似ているようで実は違う

村西とおると言えば、「ナイスですね」「ゴージャスですね」といった英単語交じりの独特な口調が特徴で、一時は若者たちがこぞって真似をしていました。また、女優の出演交渉の際にも役立った、「ノーと言わせない」応酬話法も印象的です。

経営理論と、経営持論は、似ているようで実は違います。多くの経営者が語ることは、理論ではなくその人の持論でしょう。村西とおるのやっていることは、それに通ずる部分があるのかもしれません。

よく考えればわけがわからないことでも、エネルギーがあれば他人を動かすことができてしまうのです。

読んでいると、自分が仕事で悩んでいることが馬鹿らしくなってきますよ。大儲けして調子に乗るたび、逮捕されたり、巨額の借金を負ったりと、必ず崩れるところも、教訓になるかもしれません。

▼死にたいときには下を見ろ!

(構成=梁 観児)
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