この祭典を存分に楽しもう
熱狂的なW杯日本大会の招致活動の成功から10年あまりが過ぎ、当時の立役者たちはそれぞれに年を重ね、この祭典を存分に楽しもうと意気込んできた。40日以上にわたって繰り広げられる日々をおのおのの思いとともに堪能し、過ごすことになる。
徳増は、東京で、渋谷インターナショナルラグビークラブという団体を設立し、主としてビビッドな英語によってのみコミュニケーションを図りながら子どもたちにラグビーを楽しませ、教えるという活動を18年から始めている。緑のグラウンドに立ち、子どもたちと闊達に触れ合うことこそ、ラグビーの、そして自らの原風景ではないのかと思えてならない。
何が正解なのかは誰にもわからない。あえていうなら、森喜朗と徳増浩司の目に映る光景に幾許の差異があろう。スポーツの祝典を母国へ招くことに、長く懸命に取り組んできた。いま、それが開花している。蹴球の祭典を、存分に楽しんだらいい。次の新たなる地平は、きっと見えてくる。(文中敬称略)
(撮影=小野田陽一)