「食べない」の責任は自分で取る

お昼ごはんに関連して、もう一つ。

うちはそもそも、遊びに夢中だったりお腹が空いていなかったりして「いまは食べたくない」と子どもが思ったら、食べなくてもかまいません。保育士は「お昼の時間だけど、どうする?」と聞きますが、決めるのは子ども本人です。

ただ、「食べない」と言っても、ほんとうに食べなければ、当然あとでお腹が空いてきます。そのとき子どもが「先生、ごはんほしい」と言ってきたら、「あら、さっきはいらなかったけど、やっぱりお腹が空いちゃったのね」なんてお話ししながら、一緒にごはんを探しに行くのです。

もし、まだクラスのバイキングのお皿に残りがあれば、「どうぞ」。

クラスにもう残りがなかったら、「おいしくてみんな食べちゃったんだね。困ったね。じゃあ、となりのクラスを見てみようか」。

そこにもなければ、「給食のおばちゃんのところに行ってみようか」。

給食室にもなければ、「なかったね。みんな食べちゃったんだね」と言っておしまいです。運がよければ食べられるけれど、そうでなければ自分で自分の選択の責任を取るしかないね、というわけです。

「先生、取っておいてね」に変わる

ただね、子どもって利口なの。だんだん、「食べない」から「取っておいて」と言うようになってくる。「大川先生、ぼくの分、取っておいてね! あとで食べるから!」って。

けれど、その子の分を取っておくと、また別の問題が起きます。いつまでも食べないと、おかわりしたい子が「先生、あそこに残ってるやつ食べたいよ!」と主張し出すのです。それに、いつまでも取っておくと衛生面も心配でしょう。

そこで、子どもたちとルールを決めることにしました。

「みんな、お昼ごはんを取っておいてほしいときがあるよね。でも、食べるか食べないかわからないとおかわりしたい子がかわいそうだし、ずっと置いておくと腐ったりして危ないの。さて、どうしましょうか」

みんなでああだこうだ意見を出し合った結果、「取っておく時間を決めよう」ということになりました。時計のながい針が3のところになるまで(13時15分まで)は、取っておいてあげよう。それを過ぎたら、ほしい子にあげちゃおうって。