「自分」で決めたルールを子どもたちは守る

そのルールをつくったのは「みんな」、つまり「自分」でもあるわけです。

だから、子どもたちはちゃんと守ります。食べたかったら13時15分になる前に戻ってくるし、遊びに夢中で決めた時間を過ぎてしまったら、ほかの子が食べても文句は言わない。

大川繁子『92歳の現役保育士が伝えたい親子で幸せになる子育て』(実務教育出版)

でも、そういうときはお腹が空いて仕方がないから、次は同じ間違いをおかさないよう慎重になりますね。

こんなふうに、なにかを決めるときに保育士が一方的にルールを押しつけることはありません。みんなで考えて、話し合って、納得できるルールを決めるのです。

ときにはお題自体も子どもたちから出てきます。

ケンカも、子ども同士で仲裁し合っています。

大げさかもしれないけれど、民主主義の基礎がつくられているんじゃないかしら。

ありがたいことに、小学校の先生や周りの大人の方々から「小俣幼児生活団にいた子どもたちは問題解決能力が高い」と言っていただけるのは、こうした保育のおかげかなと思います。

おうちでも、親が決めたルールを子どもに守らせるのではなく、一緒にルールを決めてみてはいかがでしょうか。

反発心の強いきかん坊でも、「自分が考えて決めた」という意識が芽生えれば、得意げに守ってくれるかもしれませんよ。

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