スキーヤーが愛読『月刊スキージャーナル』
※本稿は、帝国データバンク 情報部『倒産の前兆』(SB新書)の一部を再編集したものです。
スキージヤーナルは、『月刊スキージャーナル』『月刊剣道日本』などの雑誌出版社だった。1980年代に沸き起こったスキーブームで多くの読者がついた『月刊スキージャーナル』を主として業績を伸ばすが、その後、ブームの沈静化とともに悪化の一途をたどっていく。
赤字決算に転落すると従業員への給与支払い遅延も生じるが、ここから素性の知れない第三者の介入などによって不穏な動きが見られ始める。あらゆる疑念が渦巻く中、自社を愛する従業員たちが下した苦渋の決断とは――。
『私をスキーに連れてって』といえば、かつて人気を博した大ヒット映画だ。同作が公開された1980年代、世の中は空前のスキーブームで、全国のゲレンデが多くのスキーヤーで溢れていた。
『月刊スキージャーナル』は、こうしたスキーヤーが愛読書としていた専門雑誌だ。最初は前身企業のもとで1966年に創刊され、数億円程度の売上規模ながらも、スキーブームを追い風に、1990年には年商約16億円にまで成長した。