真剣勝負の韓国のマッチングサイト

マッチングサイトにも、気楽な出会いを求めるものから、より真剣で、結婚に直結するような出会いを求めるものまでいろいろあります。これから紹介する韓国のマッチングサイト利用者を分析した研究は、ここまで紹介してきたアメリカの事例と比べて大きく二つの違いがあります。

一つは、利用者のプロフィールに嘘がないことです。この韓国のマッチングサイトでは、年齢、学歴、職業、そして現在独身であることを示す証明書類を、サイト運営者に提出しなければなりません。

もう一つは、マッチングサイトでの出会いが結婚に至ったかどうか知ることができることです。マッチングサイトを介して結婚したカップルの特徴と、オフラインも含めた韓国社会全体の結婚で見られるカップルの特徴を比べることで、マッチングサイトがどのような役割を果たしているのかがわかります。

分析の結果、マッチングサイトを利用した場合、より夫婦間の年齢や学歴、そして離婚歴の有無が似通ってくるとわかりました。

一方で、マッチングサイトを利用することによって、オフラインでは結婚しなかったであろう職業や居住地の人と結婚していることもわかりました。

オフラインでは出会いの機会が限られている

これらの結果は、やはりオフラインでの出会いの機会が限られていることを示しています。そして韓国の人々は、自分と年齢や学歴、そして離婚歴の有無が同じような人と結婚したいと考えているようです。しかし、出会いの機会が限られるオフラインでは、自分と同じ仕事をしている人や、同じ地域に住んでいる人と結婚してカップルになることが多いようです。

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しかし、マッチングサイトを利用すれば、オフラインでは出会う機会のない別の職業の人や、ほかの地域に住んでいる人とも出会うことができます。マッチングサイトを介した結婚と、韓国社会全体で見られる結婚を比べることで、マッチングサイトが果たしている役割が明らかになったのです。

個人的には、この分析結果はとても腑に落ちるものでした。私の知り合いのある大学の先生は、お医者さんと結婚しましたし、別の先生はフォトグラファーと結婚しました。いずれのカップルも、夫婦ともども高学歴で専門職についていますが、みなさん大変仕事が忙しく、マッチングサイトがなければとても出会うような組み合わせではありません。

こうして身近な方の成功例を知るにつけて、マッチングサイトには割と肯定的な印象を持つようになりましたし、出会いがないとボヤく同僚の先生にはマッチングサイトの存在をお知らせしています。世話焼きの仲人おじさんみたいに思われたかもしれませんが……。

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