家事・育児の分担や家族のあり方を研究してきた立命館大学教授の筒井淳也先生は、結婚年数とともに「結婚満足度」はどんどん下がっていくと指摘。しかもそれは世界共通の現象なのだそうです。そんななかで、年数がたってもそれほど満足度が下がらない人もいます。彼らは何が違うのでしょうか——。
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結婚年数とともに「やさしさ」が低下

家族社会学では、幸福度を測る基準のひとつに「結婚満足度(配偶者満足度)」があります。前回お話した「親ペナルティ」の問題(「子どもを持つと幸福度が下がる日本社会の闇」)にもつながってくるのですが、結婚年数とともに結婚満足度はどんどん下がっていくという傾向があります(図表1)。

配偶者満足度の予測値

※データ:「全国家族調査パネルスタディ(NFRJ-08Panel)」のデータよリ筆者推計。詳細は近刊の筒井淳也「年齢を重ねると夫婦は満足を深めるのか」<西野理子編『夫・妻との関係はどう変わっていくのか:パネルデータからみた日本の夫婦関係』(ミネルヴァ書房)>を参照。

そして、お金の面よりも、メンタルのサポートのほうが、結婚満足度に大きく影響すると考えられています。女性からすると、経済的な条件はある程度クリアして結婚している人が多いわけなので、その上でメンタル面のサポートを夫がしてくれるかどうかが重要ですね。そして、女性側の不満が増えると、男性側の満足度も下がってしまいます。