妻の満足度のほうが低い

では、メンタルサポートにはどのようなものがあるか、詳しく見ていきましょう。図表2の数値は、配偶者が「悩みを聞いてくれる」「評価してくれる・褒められる」「適切なアドバイスをくれる」という三つの行動の累積をグラフ化したものです。それぞれ0〜3点ずつで、9点が満点となっています。男女ともに、結婚年数とともに右肩下がりになっていることがわかります。

配偶者によるサポートの予測値

一般的に、結婚満足度は女性のほうが低く出ます。理由は、男性は「悩みを聞く」「褒める」などの行動を女性に与えられていないから。例えば女性が「ちょっと大変なの、聞いて」と言ったら、男性はすぐに「どうして? 原因は?」と尋ねて問題解決をしようとしてしまう。女性からすると、話を聞いてくれたらそれでいいのかもしれません。しかし男性は、そういったコミュニケーションが苦手なのです。これが数値に表れている可能性があります。

子どもができると満足度は急降下

一方男性の結婚満足度が下がっていく理由としては「自分好みの評価を与えてもらえない」というのがありそうです。例えば、子どもができたら女性はそちらに意識がいくでしょうし、家事や育児はできて当たり前だという評価になっていきます。

実際に、子どもがいない夫婦の数値は非常に高くキープできています。しかし、子どもができた瞬間に突然下がるのです。

実は、結婚満足度が結婚経過年数とともに低下していくのは、世界共通です。調査を実施した国では、のちに上がる国はありませんでした。昔は、子どもが大きくなると再び上がってくるという説もありましたが、厳密に分析した結果、そうではないことが分かりました。