「マイクロマネジメント」がチャレンジ精神を奪う

マイクロマネジメントという言葉をご存知でしょうか。細かく部下に指示をしすぎてしまう状態のことを言います。

「わかっていると思うけど、翌朝までに、この箇所に記入をしておいてね
「企画書ができたら、事前に見せてね。間違いがあったらいけないからね
「お礼の手紙は、すぐにださなきゃダメだよ

上の太字部分をご覧ください。

伊庭正康『できるリーダーは、「これ」しかやらない』(PHP研究所)

「できていないとダメだからね」と言っているわけですから、やさしそうな表現であっても、言われたほうはかなり窮屈に感じてしまいます。窮屈なことを好む人は、そうそういないでしょう。

だから、自分で考えることが好きな人や、自由さを求める人ほど、マイクロマネジメントをされると、会社を辞めたくなります。言うなれば、過干渉の親の元を飛び出したくなる子供と一緒と考えるといいかもしれません。

でも、部下が一人前でない場合もあります。だから、気になるわけです。では、どうすればよいのでしょう。

「部下の成長」の機会を奪っていないか

責任感がある上司ほど、マイクロマネジメントに陥りやすいものです。そこで、その責任感を「目先のこと」ではなく、「部下を成長させること」に向けてみると、マイクロマネジメントを手放しやすくなります。

「やらされた仕事」では成長ができないことは、心理学が実証しています。「目標は未達成だったけど、上司の言う通りに電話を30件かけたのでOK」といったように、他責にしがちになるからです。

そこで、冒頭で述べた「自己決定感」に着目してみてください。自己決定感とは、「自分がそれを決めた」という感覚のことです。この自己決定感が高いと、失敗をしても次の成長に活かすことができる、というのです。

「目標は未達成だった。こうしておけばよかったな。よし、次はこうしよう」と「反省」をし、次に活かすようになります。