2010年7月中旬。外務省領事局政策課長の八重樫永規(48歳)は、捲っていた新聞の記事に何気なく目をとめた。東証一部上場の自動車部品メーカー、ユーシンの田邊耕二社長のインタビューだ。

「自分は高齢だが、後任の社長がいないので近く公募したいという内容でした。そのときは社長を公募するなんて、おもしろいなあと思いましたね」

7月25日。ユーシンは正式に「社長候補求む!」という募集広告を全国紙に掲載した。要件は「大卒以上で語学(英語)堪能、行動力、思考力に優れ、グローバル経営を任せられる若手(30~40代歓迎)のバイタリティに満ちた人」。そして年俸は3500万円以上――。