「当分、衆院の選挙はない」と森元首相が暴露

山本氏は政見放送で「(重度障害者の擁立を)発表した際、こんな声が届きました。『障害者を利用するつもりか』。この言葉に対して私は言います。上等です。障害者を利用して障害者施策を変えようじゃないか」と訴えている。選挙が終わってから、わずか数日で山本氏は公約を実現したことになる。

「当分、衆院の選挙はないと安倍首相は言っている」

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は24日、都内で開かれた五輪関係の会合で、こう語った。現職衆院議員である組織委副会長の遠藤利明氏に「選挙はまだ先だから五輪に向けた仕事に専念してほしい」という意図での発言だったが、会場にいた人たちは前段の「当分衆院選はない」という部分に驚き、ざわついた。

森氏は安倍氏の「元上司」にあたる。森氏が首相の時、安倍氏を官房副長官に抜てきしたこともある。引退したとはいえ、生臭い政界情報好きの森氏に対し、安倍氏は報告を怠らない。その森氏の発言だけに、多くの人は「ガセネタではない」と受け取った。

「太郎」への警戒で解散戦略は変更に

もともと参院選に合わせて衆院解散し、衆参同日選に持ち込むことを考えていた安倍氏は、同日選を見送った後も、今秋に衆院解散する「時間差同日選」を軸に政治日程を組み立てていた。しかし選挙結果を踏まえて「五輪後の20年秋以降」に軸足を移したようだ。

理由は2つある。1つ目は、参院で自民、公明、日本維新の会による「改憲勢力」で、改憲に向けた国会発議に必要な「3分の2」を割り込んだこと。足りないのは「4」なので、今後野党に揺さぶりをかけることで回復は不可能ではないが、その前に衆院選を行って衆院の方も「3分の2」割れになると、憲法改正への動きが事実上ゲームオーバーになってしまう。だから、衆院選は「3分の2」回復後にしたい。

もう1つの理由が、まさに山本太郎氏の存在だ。参院選で「れいわ」が獲得したのはわずか2議席だが、安倍氏はその存在感を過小評価していない。特に都市部での爆発力には脅威を感じる。例えば東京都では、比例代表で「れいわ」は45万8151票獲得した。これは日本維新の会の47万9908票とほぼ同じ。社民党はもちろん、国民民主党よりも多い。もはや主要政党と言っていい。

今の勢いのまま衆院選に突入したら「れいわ」は、無党派の若者層から大量得票して多くの議席を獲得する。その場合、最近の選挙では若者層の支持が高い自民党に対する影響は甚大だ。