宮中晩餐会で提供される豪華絢爛なフレンチや伝統的な宮中儀式用の料理ではなく、日頃、天皇皇后両陛下が召し上がっているものは? 昭和天皇・香淳皇后の料理番から話を聞いた。

秋刀魚も食卓に。一汁三菜の和食

皇居内にある宮内庁管理部大膳課厨房係では、天皇皇后両陛下の日常食をはじめ、宮中晩餐会や皇居内で行われるさまざまな祭事の食事を用意している。

Fujifotos/アフロ=写真

歴代天皇の中で最長寿の昭和天皇は、87歳8カ月で崩御された(古代の天皇を除く)。平成元年の平均寿命は男性75.91歳、女性81.77歳。さらに平均寿命が延びた平成29年でも男性81.09歳、女性87.26歳と考えると、昭和天皇は長寿だったと言っていいだろう(平均寿命は厚生労働省簡易生命表より)。だとしたら、天皇家の食生活から健康や長寿の秘訣を学ぶことができるのではないか。そこで昭和天皇・香淳皇后の料理番を務めた2人の料理番の話から、長寿の秘訣を探ることにした。