「結婚しない人がいてもいい」考えは広がっている

それでも、未婚男性の平均収入は時代とともに減少してきているので、結果的には結婚できた人とできない人に分裂します。要するに婚活では、男性は収入が安定している人のほうが結婚できるし、女性はとにかくそういう人と出会って、そういう人が自分を選んでくれるというチャンスに恵まれたら結婚できるというわけです。

山田昌弘『結婚不要社会』(朝日新書)

ちなみに、2018年のNHKの「日本人の意識」調査では、結婚することについて「必ずしも必要はない」と答えた人の割合が68%でした。この調査は1973年から5年ごとに行われているものですが、過去25年間で最も高い数値だそうです。

結婚が必要ないという答えは、もちろん、自分が結婚しなくてもいいという考えを示すものではありません。単に「結婚しない人がいてもいい」というだけで、逆に言えば、「結婚するんだったら、ちゃんとした結婚をしたほうがいい」と考えている人が多数派であることが推測できるわけです。つまり、さまざまな調査が示しているのは「自分は結婚したいけれども、他人はどうなろうとかまわない」と考える若い人が増えているということなのです。

山田 昌弘(やまだ・まさひろ)
中央大学文学部教授
1957年、東京生まれ。1981年、東京大学文学部卒。1986年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。専門は家族社会学。学卒後も両親宅に同居し独身生活を続ける若者を「パラサイト・シングル」と呼び、「格差社会」という言葉を世に浸透させたことでも知られる。「婚活」という言葉を世に出し、婚活ブームの火付け役ともなった。主な著書に『パラサイト・シングルの時代』『希望格差社会』(ともに筑摩書房)、『少子社会日本』(岩波書店)、『家族難民』『底辺への競争』(朝日新聞出版)など。
(写真=iStock.com)
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