「接戦」と報じられた堺市長選挙だが、11%差は立派な勝利だ
6月9日、大阪の堺市長選挙において、大阪維新の会の永藤英機氏が勝利した。主要な相手は自民党元堺市議の野村友昭氏。永藤氏は13万7862票獲得。野村氏は12万3771票。約1万4000票差での勝利だった。
堺市は大阪府内において大阪市に次ぐ大都市であり、人口約82万人で有権者数は約70万人。投票率は、前回を約3.5%下回る40.83%だった。確かに4月7日に維新が大勝した、大阪ダブル・クロス選の勢いでそのまま押したという感じではなかった。
ゆえに、この約1万4000票差をとらえて、「維新の勢いがなかった」「予想外の接戦だった」などなど厳しい評価も散見され、永藤氏も当選確定後の記者会見では笑顔を見せることなく厳しい表情だった。
でも、立派な勝利だ。物事は比較優位で考えなければならない。これは拙著『実行力』(PHP新書)に詳しく書いた。他の選挙結果と比較して考えなければならないんだ。
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永藤氏は、野村氏の票数を基準に約11%の差をつけて勝利した。他の選挙と比べれば、立派な勝利であることに間違いはない。
それでも永藤氏には辛いことだが、4月7日の大阪ダブル・クロス選挙の維新圧勝の選挙と必ず比べられる。しかし、ダブル・クロス選挙の方が異常だった。このときの維新圧勝は、松井さんと吉村さんの圧倒的な実績が評価されたことが勝利要因だ。両名の実績には、橋下や維新は嫌いだという人さえ、認めざるを得ないところがあった。松井さんの2期8年、吉村さんの1期4年の実績は大変重く、裏を返せば、実績さえきっちりと残せば、敵が自民党から共産党までの既存政党ががっちりとタッグを組もうが選挙で勝てるということだ。
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