雑談から入ってしまってオーダーのタイミングを逸しないよう、まずオーダーを済まし、料理が運ばれるのを待つ間に雑談、この日の本題はメーン料理のときにするなど起承転結を考えた会話の流れをつくるのも、招待する側の心遣いだと思います。

カウンターでオーダーをしてから席に座るタイプのコーヒーショップでしたら、お客様に「先に座っていらして」と席を勧めて素早く支払ってしまいます。時間がかかりそうな場合は、おつりや領収書は後からもらうなど、こうした店でもお客様をお待たせしない工夫はできます。

一方で、自分がご馳走になったときには、レジが見えない場所で待って「ごちそうさまでした」とお礼を述べます。

タクシーでおつりをチップにするとき

心づけをお渡しするというと、高級旅館や結婚式をイメージされるかもしれませんが、日ごろお世話になっている馴染みの店の方にお渡しすることもよくあります。

呉服屋さんや筆屋さんが商品をわざわざ届けてくださったときや、何度も利用しているタクシーで遠方に行くときなど、ちょっとしたときに心づけをお渡しできるよう、私はのし入りのポチ袋や男性用の懐紙を常備しています。懐紙は女性用だとお金を包むには小さいので男性用を用い、薬包包みという折り方にすればお金が落ちることもありません。飲食店やタクシーで半端なおつりをチップにするときには、懐紙には包まず、お名前を確認して「○○さん、いつもありがとう」とお伝えしながらお支払いしてさっと店を出たり、降車します。

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都内の馴染みのお店なら、お金をお渡しするよりはお菓子を差し入れして、みなさんで召し上がっていただきます。長年お付き合いのある地方のお店からは、毎年お中元やお歳暮にその地域の珍しい海産物などをいただきますから、私からも関東の名物などを送るようにしています。

いただいたものをご近所様やわが家にお越しになった方にお裾分けをするときには、ラップなどで包んだ後、半紙にくるんで紙袋に入れてお渡しすれば、見た目も見苦しくありません。