女性相手の接待なら、ワインのセッティングだけでも喜んでもらえると思います。日本酒やビールを苦手とする人もいるので、和食などでもワインも選択できるお店だと事前に伝えるだけで気が楽になる人も多いでしょう。時に、女性が香水をつけていると、ワインは香りが大事だからとクレームをつける方がいます。プロは絶対つけませんが、特に禁じられているわけではありません。

相手の宗教、アレルギー、好みなどをしっかりチェック

今後は海外のお客様との接待も増えるでしょう。相手の宗教、アレルギー、好みなどをしっかりチェックして品格ある会食にしたいですね。

相手の気持ちやコンディションも考えてお店や料理、お酒を選ぶという心遣いがさり気なくでき、食事の席では気持ちよく話が盛り上がるのがよい接待といえるのでは。相手を尊敬し、思いやっている姿勢は、迎合するような言動よりも、そうした店やワイン選びの気遣いで十分伝わります。傍目からは上下の差、接待する側とされる側の区別がつかないような場は、楽しそうで本当にいいなと思います。

Q:どのような場になれば、理想の接待といえますか?
A:接待する側、される側の区別がつかない場が最高

田辺由美(たなべ・ゆみ)
ワインアンドワインカルチャー代表
日本ソムリエ協会名誉ソムリエ。北海道生まれ。津田塾大学数学科卒業。米国コーネル大学でワインを修得。1986年より現職。92年「田辺由美のWINE SCHOOL」設立。2009年仏政府より仏農事功労賞。著書多数。
(構成=岩辺みどり 撮影=初沢亜利)
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