セブンプレミアムの半分強のトップバリュ

関東、近畿、名古屋の旧ダイエーGMSを運営するイオンリテールストアの売上高は、前期比2.5%減の1383億円、営業損益は61億円の赤字(赤字幅は前期から10億円縮小)だった。

九州の旧ダイエーGMSを運営するイオンストア九州の売上高は1.0%減の564億円、営業損益は13億円の赤字(前期からほぼ横ばい)となっている。食品スーパーを運営するダイエーの売上高は4.3%減の2803億円、営業損益は40億円の赤字(12億円縮小)だった。いずれも売上高を減らしながら採算性を改善しているが、営業赤字に変わりはない。

ダイエーは創業者の中内功氏が進めた「価格破壊」が消費者に支持され、一時は日本最大の小売業として名を馳せた。しかし、「価格は安いが、欲しいものがない」と揶揄されるようになり、次第に業績は落ち込んだ。イオンはダイエー再建のため、15年に完全子会社化し、プライベートブランド(PB)「トップバリュ」の販売などを始めた。しかし、抜本的な改善には至っていない状況だ。

どうすればダイエー事業を含む各スーパーの利益率を高めることができるのか。

ひとつには、「トップバリュのてこ入れ」が挙げられる。トップバリュは近年低迷が続き、力強さを欠いている。18年度の売上高は7755億円で前年度からは増えたが、14年度の7799億円には届かない水準だ。その規模は競合のセブン&アイ・ホールディングスのPB「セブンプレミアム」(18年度は1兆4130億円)の半分強に過ぎない。トップバリュの競争力を高めることが必要だろう。

顧客志向の徹底がセブンプレミアムの強さ

もうひとつは「顧客志向の徹底」だ。上位に立つセブンプレミアムの強さは、ここに由来しているように思う。鈴木敏文セブン&アイ元会長は、書籍『セブンプレミアム進化論 なぜ安売りしなくても売れるのか』(朝日新聞出版社/緒方知行、田口香世)のインタビューで、こう指摘している。

「お客さまの立場に立って、質をどこまで高められるか、それがマーチャンダイジング(商品政策)の変わらぬ基本だろうと思うのです」
「質の追求ということは、お客さまの立場にとことん立つということです」

鈴木氏が繰り返し訴えているのが、顧客の立場に立って考えること、すなわち顧客志向を徹底させることだ。この考えはもちろん正しく、それゆえにセブンプレミアムが売れているのだ。