入れ墨・指詰め・反社会的勢力との関係の有無を確認される
応募は入所施設で“就労支援”を受けた後、『Chance!!』についている専用の履歴書を使って行う。そこには、非行歴・犯行歴、起こした事件の背景・きっかけ、飲酒・喫煙・入れ墨・指詰め・反社会的勢力との関係の有無、被害者との関わり(被害弁償・損害賠償の額など)、再犯の可能性についての考え、再犯しないための決意や具体策など、書き込み欄が多数あって、受刑者が履歴書を書きながら自らの過去を振り返り、企業に経歴や更正ぶりが伝わる工夫が施されている。
そして、やる気を感じた企業は面接にも出向くという。この1年間で34人の内定者が決まったという。まだまだ全国の施設に十分行き渡っていないことを思えば、今後さらに増えていく可能性は高い。
『Chance!!』なんて雑誌、見たことないなと思う人がいるのは当然だ。基本的に受刑者向きの求人誌だから、置かれているのは少年院、留置所、拘置所、刑務所内などに限られているからである。
ほとんどの人が、できればこの先も同誌を必要とせずに過ごせたらいいと思っているだろう。けれど、人生は何があるかわからない。万一、自分や友人が罪を犯すことがないとは限らない。もし、あなたの周囲に受刑者がいて、社会復帰の手助けをしたいようなとき、この雑誌の存在を教えてみてはいかがだろうか。チャンスを掴む選択肢は多いほどいいし、罪を償ったあと、人生をやり直す権利は誰にでもあるからだ。
(写真=iStock.com)