好きなことを仕事にするにはどうすればいいのか。自虐ネタでブレイクした芸人・ヒロシさんは、いま「YouTuber(ユーチューバー)」として活躍している。主な内容は趣味のキャンプを楽しむというもの。動画2本をあげるだけで、月80万円を稼いだこともある。なぜヒロシさんの動画にはファンが多いのか。本人に聞いた――。
現在はソロキャンプYouTuberとしても活躍するヒロシさん

チャンネル登録者数は29万人超

2004年、伏し目がちにつぶやく芸人の自虐ネタが、一世を風靡した。芸人の名はヒロシ。それから14年、今、ヒロシはYouTuberとして活躍している。チャンネル登録者数は29万人を超え、100万回再生を超える動画もある(2018年12月10日時点)。なぜ芸人とは別の道で再び成功することができたのか――。

「今、通常のタレントの仕事とYouTuberとしての仕事がごっちゃになっています。YouTubeのおかげでテレビ番組に出ることもあって、うまく混ざってる感じ。でも、別にYouTuberになろうと思っていたわけではないんです」

「数年前、大江戸線六本木駅で、日本エレキテル連合が出ている『好きなことで、生きていく』というYouTubeキャンペーン広告がバーンッと視界に飛び込んできたんですよ。当時自分は、そこまでテレビには出ていないけど、営業の仕事があって別に困ってはいなかった時期でした。でもそのなかで好きでもないことをやる時も結構あって、『いいなぁ。今の俺は『好きなことで、生きていく』なんてムリだな』と思いました。まさか自分がそうなるとは思ってなかったですね……」

もとは身内向けの“自己満足”だった

ヒロシさんにとって、「好きなこと」とはキャンプ。もともと、仲間と集まっては足を運ぶ、純粋な趣味だった。なぜそれがYouTuberとしての活動につながったのか。

「最初は、仲間や料理の写真や動画をスマホで撮っていたんですよ。パソコンに入ってるソフトで適当に編集しては、YouTubeにあげるようになりました。それも身内向けというか、キャンプ仲間との飲み会でタブレットで見て面白がるための、完全に自己満足の動画でした」

「でも、少しずつ視聴数が増えているのに気づいたんです。コメントも好意的で、そうなるとだんだん楽しくなってくるじゃないですか。さらに、地方に行ったとき、『YouTube見てます』と言われて、それがすごくうれしかったんですよ。『本当に見られてるんだ!』という実感があって、デジカメを買って画質をよくするとか、工夫を始めました」