「時間」という資産は、誰にとっても有限だ。ところが、その使い方は人によって驚くほど違う。いつも時間が足りない人と、仕事が終わる人の違いはどこにあるのか。「プレジデント」(2017年3月6日号)より識者の助言を紹介しよう。今回は「家族の問題」について――。

難しいのは、熱血経営者が率いる「レッド企業」の場合

病気・介護など自分や家庭のネガティブな事情は、原則、オープンにすべきと考えます。

隠していると、それだけで心理的なストレスがかかります。ただでさえ負担があるのに、かさねて重荷を負えば、うつ病を発症することになりかねません。また、秘密にしていたところで、周囲の人はちょっとしたことから気がつくものです。だったら、同じ職場の人たちに事情を打ち明け、会社に申告するほうがやりやすいでしょう。

あなたの会社が介護休職制度などの制度を備え、社員に取得を勧める「ホワイト企業」なら、何も問題はありません。たとえば元東レ経営研究所社長の佐々木常夫さんは、自閉症の息子さんや病気の奥様を抱えて介護や家事にも奮闘していましたが、そうした事情をオープンにしつつ、仕事で成果を挙げ、同期トップで取締役に昇進しました。

逆にいわゆる「ブラック企業」だったら、退職も視野に入れなければなりません。難しいのは、各種制度はあるものの実態はブラックに近い「グレー企業」や、熱血経営者が率いる「レッド企業」の場合です。これらの会社では、マイナス情報をオープンにすることで不利な処遇を受ける可能性は高いでしょう。ただ、隠していれば状況が好転するわけではありません。覚悟を決めたうえで、きちんと話すことをお勧めします。

▼隠すのは限界あり。ありのまま正直に覚悟を決めて話す

本田有明
本田コンサルタント事務所代表
日本能率協会を経て人事教育コンサルタントとして独立。『結果主義のリーダーはなぜ失敗するのか』(PHPビジネス新書)など著書多数。
 
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