「時間」という資産は、誰にとっても有限だ。ところが、その使い方は人によって驚くほど違う。いつも時間が足りない人と、仕事が終わる人の違いはどこにあるのか。「プレジデント」(2017年3月6日号)より識者の助言を紹介しよう。今回は「就業規則に違反」について――。

会社独自の憲法ともいわれる就業規則。従業員が間違った方向に進まないように、細かく禁止事項が定められている場合が多い。政府が促進している「副業」も禁止をうたっている企業はいまだに多い。

「これからは副業を禁止にしている会社で、副業をしていることが会社に知られた場合でも、会社が処罰することは難しくなるでしょう。同業他社に情報が漏洩する恐れがあるなど、企業活動に深刻な影響がある場合を除き、それをする社員が悪いのではなく、禁止にしている会社が認めざるをえないということです。これまでとは正反対の流れです」と、外井浩志弁護士は話す。

社内規定といえば、文房具や乾電池など会社の備品を私物にする行為や、個人の資料を会社のコピー機で複写するなど軽微な違反も含まれる。こういったことも厳罰の対象になってしまうのか。

「即懲戒処分ということにはならないでしょうが、まずは口頭注意、次に書面での注意、それでも改善しない場合は懲戒処分、と段階的に処罰されることになるでしょう。それもまた管理職がしっかり部下の行状を見て、規定違反があるようなら注意しなければならない。注意しなかった場合は、後で懲戒処分まで進んだときに『なぜ最初に注意しなかったのか』と管理職の責任が問われることにもなりかねません」

▼規則上「×」でも処罰することは難しくなりそう

外井浩志
弁護士
1981年、東京大学法学部卒業。東京労働基準局労働基準監督官などを経て、外井(TOI)法律事務所開設。著書に『よくわかる労災補償と裁判』(中央労働災害防止協会)など。