「時間」という資産は、誰にとっても有限だ。ところが、その使い方は人によって驚くほど違う。いつも時間が足りない人と、仕事が終わる人の違いはどこにあるのか。「プレジデント」(2017年3月6日号)より識者の助言を紹介しよう。今回は「ネットで情報収集」について――。
ヤフー、SNS、ブログ……ダマされない方法はあるか
騙されないためには、「誰が書いたのか」を確認することだ。2016年、DeNAのキュレーションメディアの記事濫造が問題になった。サイトの「見かけ」はあてにならない。
私の判断基準は、テレビ番組のコメントに使えるかどうかだ。見知らぬサイトの情報は、真偽不明だから話せない。一方、新聞や雑誌であれば「××によると」という言い方ができる。
ネットでも「ヤフーニュース」のようなサイトは、配信元の媒体名が書いてある。「ヤフーに書いてあった」ではなく「(ヤフーに配信していた)××によると」という言い方でもOKだろう。ただしヤフーにも信憑性の乏しい媒体の記事がある。聞いたことのない媒体は要注意だ。
個人ブログやSNSの場合、一流の新聞や雑誌に出ているような著名人が直接発信しているものならある程度は信頼できる。
ネットを使うなら、ピュアな一次情報をみたほうがいい。私は景気動向を判断するため、「毎月勤労統計調査」の「現金給与総額」を定点観測している。厚生労働省が毎月発表しているが、ネットで公開されるまでは調べるのが大変だった。
また日本銀行は無料でメール配信をしている。日銀総裁が記者会見を行うと、すぐに質疑のほぼ全文が載る。これと新聞記事を読み比べると、各紙が総裁発言のどこを切り取ったかわかる。加工されていない情報を取れるのがネットの強みだ。
▼「誰が書いたか」が無責任な媒体は信用するな
(構成=山田清機)