「時間」という資産は、誰にとっても有限だ。ところが、その使い方は人によって驚くほど違う。いつも時間が足りない人と、仕事が終わる人の違いはどこにあるのか。「プレジデント」(2017年3月6日号)より識者の助言を紹介しよう。今回は「英語が苦手」について――。

MBAホルダーでも英文より和文を読むほうが楽

翻訳サイトの目覚ましい進化に接すると、近い将来、英語を学習する必要はなくなるかもしれないと思うことがある。

たとえば「グーグル翻訳」に英字サイトのURLを打ち込めば、すぐに全文が日本語になる。この数年でかなり精度が改善されていて、実用にも耐える。カーソルを動かせば、英字の原文が確認できるので、細かいニュアンスは別途調べればいい。

海外メディアの記事は積極的に読んでいるが、多くは翻訳だ。英フィナンシャルタイムズ紙は日本経済新聞に翻訳記事が載るし、米ニューズウィーク誌は日本版がある。アメリカのビジネススクールを卒業した私でも、英文より和文を読むほうがはるかに楽だ。そして質を考えると、まだグーグルより、プロの手を経た翻訳記事のほうがいい。

一方、私は卒業したビジネススクールのアジア地域のアドバイザーを務めており、同校の学長と年に数回は食事をする機会がある。そのときはもちろん英語を使って会話をする。