最近の脳科学の研究で、ブローカー野は音楽と言語を同じもの、一体のものとして処理していることがわかってきました。

子どもは歌が好きですね。言葉をしゃべり始めるより早く、音楽に合わせて体を動かし、歌に合わせて言葉を発します。これも、ブローカー野の働きによるものです。ですから、ブローカー野を活性化させて、歌や音楽を介して言語に慣れ親しんでいくことが、幼児期の英語教育には重要です。

つまり、英語の歌を聴きながら、自然にブローカー野を活性化する。そうすれば、少なくとも、大人になってから「聴き慣れない英語」に身がまえることがなくなります。

5歳までの英語教育は遊びの中で「英語を好き」になることが大切

5歳までの英語学習では、ブローカー野を活性化させて、音楽のように言語に慣れ親しむこと。そして、「英語を苦手に思わない」脳を育てておくことが大切です。

そのためには、遊びを通じて英語を楽しみながら学ぶことが大事です。

では、遊びながら英語を学べる方法をいくつか紹介しましょう。

1:英語でことば遊びをやってみる

日本には「しりとり」のように、ことばを使った遊びがありますね。英語にももちろんあって、英語のことば遊びを普段の生活に取り入れるのは一番簡単な「遊びながら学ぶ」方法といえます。親子でことば遊びをすると親子間のスキンシップにもなりますし、子どもの脳が活性化し、当然語彙(ごい)も豊かになります。

英語のことば遊びでメジャーなのは、例えば「I SPY WITH MY LITTLE EYE」などがあります。

これは、私が高校1年でカナダに短期語学留学していたとき、現地の子どもたちがよくやっていたので知りました。どこでもできるとてもかんたんなことば遊びです。

遊び方としては、まず「見つけるもの」を決めます。例えば子どもに部屋のなかにある赤いりんごを見つけさせたいなら、お父さんお母さんがこのようにいいます。

「I spy with my little eye …… something red!(赤いもの、見つけた!)」

すると、子どもは部屋のなかを歩き回り、お父さんお母さんが言っているもの(赤いもの)を探します。

子どもがりんごを見つけて「A red apple!」と言えたらポイントになります。

ほかにも、「I went to the supermarket to buy Apple, Beer, Cheese……」とABC順にスーパーマーケットで買えるようなものを言いあって続けていく、あるいは動物の名前を英語で言いあってみる遊びもあります。

「でも、平日は親も仕事で忙しく、遊ぶ時間が取れない……」と心配になるかもしれませんが、わざわざ遊ぶ時間を作る必要はありません。