英語が得意な脳を育てる遊び方のコツ

ことば遊びと読み聞かせという、親子でできる遊びを2つ紹介しましたが、実は日常生活のどんなことでも、子どもにとっては英語が得意な脳を育てる遊びになり得ます。

茂木健一郎『5歳までにやっておきたい 英語が得意な脳の育て方』(日本実業出版社)

小学校入学前の、1~5歳の子どもにとっては朝起きてから夜眠るまでが遊びのようなものです。でもその中で、あくまで「英語を得意にするための遊び」と考えた場合、遊び方のコツがあります。最後にそのコツについてご紹介しましょう。

それは

・子どもに強制しないこと
・始まりとおわりを設定すること

です。このふたつのどちらかが欠けても、子どもの脳は遊びとして楽しみながら、集中して英語と接することができないからです。

つまり、無理やり「英語で遊ぶよ」と遊ばせても意味はありません。かといって唐突にお父さんお母さんが「Pig!」「Elephant!」と英語で動物の名前を羅列し始めても、子どもは意味がわからないので遊びに参加できません。

普段は日本語で話しているお父さんお母さんとお子さんが英語遊びを始めるには、明確なルールをつくって共有することが大事です。そのルール設定に大事なのが、子どもに強制はせず、「いまからこんな遊びを始めるよ」「こうなったらおしまいだよ(10分たったらおしまいだよ。Zで始まる言葉になったらおしまいだよ。など)」と始まりとおわりを決めてあげることなのです。

子どもは、ルールを決めてもらうことが好きな生き物。そのルールがあることで、脳はぐんぐん学んでいきます。お父さんお母さんがルールを決めてすきを見ては英語で遊んであげてください。

茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)
脳科学者。1962年生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学院理学系研究科修了。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードに脳と心の関係を研究。『すべての悩みは脳がつくり出す』など著書多数。
(写真=iStock.com)
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