「昔も今も女性ってこんな気持ちなんですよと知ってほしい」

「空気って変わっていくんだなと思いました。『おかめ伝説』のおかめは自分が夫の仕事を手伝ったことを理由に自害しました。それが恥という空気があったから。今はそんなふうには考えないで済んでいます。未来の人たちが、今私たちが苦しんでいるつらさを感じなくて済むように、少しずつ解決していけたら」

本書では、面白おかしく、軽快に、昔話の女性たちの気持ちをはらださんが代弁する。『堤中納言物語』の「虫愛づる姫君」に登場する右馬佐(うまのすけ)には「『化粧したら綺麗』は褒め言葉ではない」とグサリ。“毒ガス”入りの箱を渡した『浦島太郎』の乙姫の心理に迫るパートには、ほとんどの男性が頭を垂れるはず。何気なく読んできた昔話の中でも、男性的価値観に女性が抑圧されていたことに気づかされる。とはいえ、世の男性を責め立てるつもりはない。「昔も今も女性ってこんな気持ちなんですよと知ってほしいだけ」と話す。

より女性の活躍が求められる、これからの会社や組織運営においても参考になるはずだ。故きを温ね新しきを知るではないが「女性活躍社会」に読んでおきたい一冊だ。

はらだ有彩
1985年生まれ、関西出身。テキスト、テキスタイル、イラストレーションを作るテキストレーター。「アパートメント」「リノスタ」「wezzy」等で連載。