人生100年といわれる時代。国の公的支給は縮小傾向が続いており、老後には自分自身で備えるしかない。対処法はあるか。7つのテーマにわけて、お金のスゴ技を紹介しよう。第4回は「老親別居」について――。(全7回)

※本稿は、雑誌「プレジデント」(2017年11月13日号)の特集「金持ち老後、ビンボー老後」の記事を再編集したものです。

親の生活費は、親自身のお金で賄うのが大原則

実家の父が介護施設に入り、母は父と離れて自宅で暮らす状態に。こうして両親が別居状態になると、光熱費、固定資産税などの実家の出費はほぼ変わらず、父の介護費がプラスされることになります。

さらに子どもは、父のお見舞いに施設へ出向いたり、実家の母を訪ねたりと、施設と実家の往復交通費も嵩むことになります。では、このような事態に直面したらどう対処すべきでしょうか。念頭におきたいのは「親の生活費は親自身が負担するのが大原則」ということ。親の老後に「いくら使うか」ではなく「いくら使えるか」を考えるのです。そのためにも親の資産と年金額を把握する必要があります。年金で足りない分は親の金融資産を使いますが、95歳程度まで生きることを前提に、月々に使える金額を算出しましょう。

1カ月に使える額がわかったら、それを父の分、母の分に振り分け、その範囲でどんな施設に入居できるか、どう暮らすかを考えます。もしも子が経済的支援をするならば兄弟姉妹で平等に負担し合うのが理想です。

また、支出も含め資産に関する情報は兄弟姉妹で共有すること。1人で管理すると相続時に揉める原因になってしまいます。

さらに介護保険料は世帯単位の所得で負担額が決まることも知っておくべきです。被介護者の父と子どもが同居、もしくは母に収入があるといった場合は、住民票を分ければ別世帯とみなされ(世帯分離)、介護保険料が安くなることもあります。

被介護者が無年金だったり年金受給額が低かったりする場合には、生活保護も検討の余地があります。実際、別世帯である子が親を扶養する義務は、強い拘束力があるものでありません。

それでも立ち行かない場合は、医療ソーシャルワーカー、市町村の担当課や「地域包括支援センター」に相談できることも知っておきましょう。

深野康彦(ふかの・やすひこ)
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルリサーチ代表。近著に『55歳からはじめる 長い人生後半戦のお金の習慣』など。