万延元年(1860)3月3日(新暦3月24日)、じきに桜も咲こうかという時季、江戸は大雪に見舞われていた。

この日の午前9時、登城途中だった大老井伊直弼(彦根藩主)一行が桜田門外において、水戸浪士17名と元薩摩藩士ひとりの集団に襲われた。