四賢侯のひとり、薩摩藩主の島津斉彬(なりあきら)は、すんなり藩主になれたわけではなかった。斉彬は、江戸の薩摩藩邸において、10代藩主島津斉興(なりおき)と正室弥(いよ)姫のあいだに生まれた。

だが、鹿児島にいる斉興の側室お由羅は、斉彬より8歳年下の庶子久光を生んでいた。