言葉を人工知能任せにはできない
将来、人工知能が人間の言葉を完全に理解するようになる日は来るだろう。また、人工知能同士が言葉をやりとりするようになるかもしれない。
それでも、人間なしで人工知能だけが言葉をやりとりするということに意味はない。そもそも、コンピュータ同士で情報をやりとりするならば、人間の言語を用いる必要はないだろう。もっと効率的で、情報量の多いやり方がある。
言葉は、人間らしさの象徴であり、人間が生きている証しである。言葉をお互いにやりとりする「動態保存」は人間にしかできない。
言葉を人工知能任せにはできない。人間は、言葉とともに歩み続けなければならない。そう考えたら、毎日言葉を使うのが楽しくなるはずだ。
(撮影=横溝浩孝 写真=AFLO)