スポーツ産業は、有望な成長産業だ

小泉政権下で「国民スポーツ担当大臣」でもあった麻生太郎首相は、本書の冒頭で次のような問題意識を述べている。いわく、日本では〈教育の場に「体育」しかなく、「スポーツが不在」〉だったため、欧米と比べてその社会的意義が小さいままなのではないか、と。本書の監修者・江戸川大学スポーツビジネス研究所所長・北原憲彦教授によれば、こうした体育とスポーツの違いはよく指摘されることだという。

<strong>北原憲彦●きたはら・のりひこ</strong><br>江戸川大学教授、スポーツビジネス研究所所長。1954年、長野県生まれ。明治大学卒業後、日本鋼管(現JFEスチール)を経て、現職。高校時よりバスケットボール全日本代表チームに選出され、モントリオールオリンピック出場など88年現役引退まで活躍。全日本女子監督なども務めた。
北原憲彦●きたはら・のりひこ
江戸川大学教授、スポーツビジネス研究所所長。1954年、長野県生まれ。明治大学卒業後、日本鋼管(現JFEスチール)を経て、現職。高校時よりバスケットボール全日本代表チームに選出され、モントリオールオリンピック出場など88年現役引退まで活躍。全日本女子監督なども務めた。

「教育の一環である体育は『自分がするもの』という印象が強い。一方でスポーツとは本来『見られるもの』であり、根本的に発想が異なるからです」

(尾関裕士=撮影)