桁違いの成長を続ける破壊者。台湾企業に注意せよ

本書を目にしたとき、ずいぶん思い切ったタイトルをつけたものだなと感じた。日本の製造業に関しては、楽観論、悲観論入り乱れているが、単刀直入に「ガラパゴス化」と銘打った本は初めてではないかと思ったからだ。

<strong>宮崎智彦●みやざき・ともひこ</strong><br>野村証券 産業戦略調査室 主任研究員。1968年、千葉県生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。同大学院理学系研究科博士課程修了(理論物理)。2年間のベンチャー企業勤務を経て、99年に野村証券入社。金融研究所企業調査部で半導体、携帯電話業界などの分析を行う。その後外資系金融機関を経て、2005年に復帰。
宮崎智彦●みやざき・ともひこ
野村証券 産業戦略調査室 主任研究員。1968年、千葉県生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。同大学院理学系研究科博士課程修了(理論物理)。2年間のベンチャー企業勤務を経て、99年に野村証券入社。金融研究所企業調査部で半導体、携帯電話業界などの分析を行う。その後外資系金融機関を経て、2005年に復帰。

ダーウィンの『種の起源』で有名になった南米ガラパゴス諸島は、外界から遮断されて独自の生態系が維持され、進化から大きく取り残された。それと同じように、日本の製造業も独自の製品群を生み出しているものの、グローバルな競争には適応できない可能性がある、とガラパゴスに重ねて著者の宮崎智彦さんは論じている。

(川本聖哉=撮影)