医療には「業務上過失致死傷罪」は適合しません

医療事故を調べる第三者機関の設置に関し、警察・司法関係者がそのメンバーとして参加することに現場の医師が猛反発している。素人目にはただの自己弁護に映るのだが、本書の著者である井上清成さんは、病院の顧問弁護士という“悪役”視されがちな立場から、あえて「接触するはずのないものどうしが接触する交通事故等と違って、常に患者の命と接する医療に業務上過失致死傷罪は適合しません」と指摘する。

「ここ10年弱で大きな医療事故が相次ぎ、医師と患者さんとの関係がギクシャクし始めた」

(伊奈輝子=撮影)