感動は難しさや苦労を超えたところでしか得られない

夢中――。安藤忠雄さんが口にした言葉である。本書は、世界的な建築家である安藤さんが半生を振り返った初の自伝だ。

「新しいことに挑戦する勇気を持って、夢中で仕事に取り組めば生きていけると若い世代に伝えたかったんです」

<strong>安藤忠雄●あんどう・ただお</strong><br>1941年、大阪生まれ。世界各国を旅した後、独学で建築を学び、69年に安藤忠雄建築研究所を設立。79年「住吉の長屋」で日本建築学会賞、2002年米国建築家協会金メダルなど受賞歴多数。97年東京大学教授、03年より名誉教授。独立以来、大阪が拠点。東京への出張もほぼ日帰り。「東京のほうが便利ですよ。でも、それは甘えなんです」
安藤忠雄●あんどう・ただお
1941年、大阪生まれ。世界各国を旅した後、独学で建築を学び、69年に安藤忠雄建築研究所を設立。79年「住吉の長屋」で日本建築学会賞、2002年米国建築家協会金メダルなど受賞歴多数。97年東京大学教授、03年より名誉教授。独立以来、大阪が拠点。東京への出張もほぼ日帰り。「東京のほうが便利ですよ。でも、それは甘えなんです」

大阪で生まれ育った安藤さんは、高校時代、プロボクサーとしてデビューした。試合が決まると、1カ月かけて4キロ体を絞った。朝から晩まで体重と食べ物、そして、試合のことばかり考えていた。「あの体験で、目的のために夢中になることの大切さを知った」と振り返る。

(二石友希=撮影)