なぜ「勉強しろ」と言っては逆効果なのか

ただし、子供に「勉強しろ」と言ってはダメ。かえって勉強しなくなるからです。本人がすすんでやらないと効果がありませんから、親が勉強に対する興味を植え付けることが大切です。

そのためには幼少時からの親と子供との関わり方、親子の人間関係構築が重要になります。

医大受験をする子の親は医師が多く、医師の父親はそれまで子供を放置していたのに医大受験が近づくと「俺がやらなきゃ」と急に張り切る傾向があります。医師は忙しいので無理もない側面もありますが、これではまったく逆効果。太陽と惑星の関係のように、親は適度な引力で子供を引っぱることが必要で、その関係性ができていないと学びの意欲も出てきません。

理想としては、3~4歳くらいから一緒に顕微鏡を覗いてみたり、銀河系を観察するような体験をさせながら人間関係づくりと勉強への興味を引き出していくことが重要です。

私は娘がまだ小さい頃に「雨上がりの道でよくミミズが死んでいるのはなぜだろう」と投げかけたりしていました。娘は一生懸命考え、調べているうちに興味が湧いてきて、生物がとても好きになりました。

今では化石に興味を持ち「古生代の魚は山手線1両くらいの長さだったらしい」と自分で調べた話を嬉々として私に説明してきます。このように探究心を持てば、受験勉強にも自分で取り組んでいくと思います。

また、医師になる人には公共心が絶対に必要で、試験でも公共心を問う問題が出題されます。本気で子供を医師にしたいなら、幼い頃から人がたくさんいるところに連れていき、公共心で自分を律するような体験をさせておくことも大切です。

中学受験経験者なら、高3で偏差値が急伸することも

回答例:「2人のうち1人を助ける」。どちらを選択するかはコインを投げるなどの偶然性に依拠する決定方法が望ましい。人間に不可能は要求されないので、この選択により医師が責められることはない。

小林公夫(こばやし・きみお)
一橋大学博士
およそ30年間、中学受験、医学部受験など幅広い受験生の指導にあたる。著書に『新・「勉強しろ」と言わずに子どもを勉強させる法』『わが子を医学部に入れる』など多数。
(構成=宮内 健 写真=iStock.com)
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