――同じ8時間労働でも、仕事によって疲れ方が違うということですね。
はい。
僕に面白い友人がいます。社長でまだ若いのですが「1日3時間しか働けません」と言うのです。「なんで?」と聞くと、「必死に脳をフル回転させて考えているので疲れるんです」と。「それで後の5時間は何をしているの?」と尋ねると「社員の背中を叩いたり、からかったりして遊んでいます」と言うのです。
「セクハラ、パワハラに気をつけて」と忠告しておきましたが、本当に脳をフルに使っていたら、3時間くらいが限度だと思いますね。
――集中力が高いとそうなるんですね。
はい。本当に集中すると周りが気にならない状態になります。僕も電車の移動で本を読み、数駅乗り過ごすことがよくあります。
読書に没頭するあまり、周りの音が聞こえなくなるのです。
――数駅でよかったですね……。でも、クリエーティブな仕事の評価はアウトプットなので、クタクタになるまで働いたら逆に効率が落ちるかもしれませんね。
その通りです。自ら働き方改革が必要になる。仕事を早く終えて、「人・本・旅」で脳に刺激を与えないと、画期的なアイデアは生まれません。
Answer:脳のメカニズムを知り、自ら「働き方改革」を
(構成=八村晃代 撮影=市来朋久 写真=iStock.com)