いわゆる「家なき子特例」は適用対象だが……

別居の相続人も特例が使えることがある。ただ、相続開始前3年は相続人が本人や配偶者の持ち家に住んでおらず、相続後に宅地を申告期限まで所有することが条件。つまり親が死ぬ前の3年間、賃貸暮らしだった子(いわゆる「家なき子」)は、特例適用対象だ。

「見落としがちな点は、相続人が配偶者の持ち家に住んでいる場合は適用外ということ。たとえば夫所有の家に住む妻の親が死亡。妻は自分の持ち家に住んでいませんが、夫の持ち家で暮らしているため、条件を満たさず、実家に特例を適用できません」

18年4月からの税制改正においても、「家なき子」特例の利用をした節税策の一部を封じる方向で、改正が行われた。

小規模宅地等の特例には、もう1つ落とし穴がある。特例の適用を受けるためには、原則として遺産分割協議を相続税の申告期限内に成立させる必要がある。つまり自分が特例を受けるつもりでも、ほかの相続人とトラブルになって遺産分割協議が長引けば、特例適用が“絵に描いた餅”になるおそれがある。くれぐれも注意したい。