医師の力量が問われる、漢方処方
漢方薬については、「長く飲まないと効かない」という誤解をしている人は多いが、「即効性のある漢方薬はたくさんあります」。たとえば、かかり始めの風邪やインフルエンザには麻黄湯(まおうとう)が向いている。冬に流行するノロウイルスには半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)がいい。更年期についても、早い人だと2、3週間で症状が改善するという。
特に風邪などについては、漢方は「かかり始め」と「治りかけ」に効くため、飲むタイミングが重要だ。また、漢方薬は患者の体質に合わせて処方するものなので、漢方に詳しい医師に相談しよう。
葛根湯(かっこんとう)などは市販薬を購入する人も多いが、市販薬と処方薬の違いは、有効成分の濃度だ。「葛根湯だと、処方薬は市販薬と比べ、3~5倍くらい濃いため、効きに違いがあります」。
漢方薬は中国など他国では、原材料を漢方医が自分で調合して作る。しかし日本の漢方薬は、独自の進化を遂げており、主に漢方薬メーカーのツムラが「こういう体形、体質の人の、こういう症状向けに」と、複数の成分を配合して作っている。それを医師が処方するため、複数種類の薬を処方しようとすると、異なる薬に同じ成分が含まれていて重複することもあるなど、使い方が難しいのだという。
漢方、漢方薬に詳しい医療機関を探すには、「漢方のお医者さん探し」といったウェブサイトで検索できる。岡本氏は、いい漢方医の見分け方として、「『漢方だけで何でも治す』という医師ではなく、漢方と西洋医学の『いいとこどり』をしてくれる医師がお薦め」と話す。
▼POINT!
・どこから始まる?
男性は40代ごろから男性ホルモンの分泌が低下し始め、メタボリックシンドロームのほか、頻尿など更年期の症状が現れる。
・最悪の場合は?
メタボは糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞などにつながる。男性更年期はうつ病や睡眠障害を悪化させる可能性あり。
・予防、改善策は?
薬が有効。医師に相談し、体質と合った漢方やサプリメントを組み合わせ、副作用を小さく抑えながら状況改善に取り組む。
・どこから始まる?
男性は40代ごろから男性ホルモンの分泌が低下し始め、メタボリックシンドロームのほか、頻尿など更年期の症状が現れる。
・最悪の場合は?
メタボは糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞などにつながる。男性更年期はうつ病や睡眠障害を悪化させる可能性あり。
・予防、改善策は?
薬が有効。医師に相談し、体質と合った漢方やサプリメントを組み合わせ、副作用を小さく抑えながら状況改善に取り組む。
岡本亜紀
医療法人社団OKM岡本内科クリニック院長
糖尿病専門医、医学博士。東京女子医科大学卒。専門分野は糖尿病、肥満症、脂質異常症、高血圧。同院では、漢方外来、サプリメント外来、男性外来なども設けている。
医療法人社団OKM岡本内科クリニック院長
糖尿病専門医、医学博士。東京女子医科大学卒。専門分野は糖尿病、肥満症、脂質異常症、高血圧。同院では、漢方外来、サプリメント外来、男性外来なども設けている。
(撮影=向井 渉)