2月1日からスタートする東京・神奈川の私立中学入試。親であれば必死にラストスパートする子どもをサポートしたいと考えがちだが、間違ったサポートで足を引っ張ってしまうことも多い。中学受験専門塾を経営する矢野耕平氏は「この時期に親がサポートするなら、記述問題の書き方を教えるといい」という。「+10点」も可能という5つのコツを教えよう――。

なぜ、「丸付け」が子のやる気を削いでしまうのか

東京都・神奈川県の私立中学入試が2月1日より始まる。

この入試に挑む受験生は今、志望校合格へ向けてラストスパートをかけている。親であれば、わが子が受験勉強に励む様子を見て、問題集の「丸付け」(答え合わせ)など、何か手助けができないかと考えることだろう。

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しかし、入試直前期に子どもの受験勉強の「知識習得」に直接的にタッチしないほうがよい。理由は2点ある。

ひとつは算数・国語・理科・社会ともに中学受験は大人にとってもレベルの高い知識が出題されるため、安易に手を出すと問題が解けないばかりか、間違えた知識を子に教えてしまう可能性があるということ。

そして、もうひとつは、「答え合わせ」や「丸つけ」などに協力すると、子の「できないところ」ばかりが気になってしまい、それを指摘することで要らぬ親子の軋轢を生んでしまうケースがあるということだ。最悪の場合、子がモチベーションを低下させたまま本番の受験日に臨むことになってしまう。

▼合否のカギは、出題トレンド「記述」問題の出来

近年の中学入試では各科目で「記述問題」が頻出であることをご存じだろうか?

これは2020年度、2024年度と段階的におこなわれる「大学入試改革」と関係がある。その改革で、入試はこれまでの知識偏重型から「思考力・判断力・表現力」を重視するものへと変化する。

この大学入試改革に備えて、多くの私立中学校が入試問題を変えてきている。つまり、子どもたちの「書く能力」を試す問題を盛り込むようになっているのだ。