総合商社、カジュアル衣料、コンビニ。ファミリーマートの澤田貴司社長は、異業種を渡り歩きながら、いつでもすぐに成果を出してきた。なぜそこまで早く対応できるのか。澤田氏に「超効率的な学び方」の秘密を聞いた――。

※本稿は、「プレジデント」(2017年10月2日号)の掲載記事を再編集したものです。

複数の社員と「LINE」で気軽にやりとりする

ファミリーマートの店頭で接客を行う澤田貴司社長

気になることやわからないことに出くわしたとき、手っ取り早いのはそのジャンルに詳しそうな人や興味を持って調べてくれそうな人から情報をもらうことだ。

私の最も身近なところにいて、なんでも教えてくれる存在といえば社員。ふだんからLINEで頻繁にやり取りしているので、「これが気になるんだけど、教えて」と気軽に相談できる。すると複数の社員がさまざまな目線から的確に答えてくれる。

情報はビジネスにとって極めて重要だ。だが、自分自身が壁をつくったり、ハードルを高くすると、入ってくるはずの情報も入ってこなくなる。その点、LINEでのやり取りは気軽で最適だ。

先日の会議ではこんなことがあった。育児中の女性社員が「ファミマのお惣菜類は、まだ改良の余地があると思う」と言う。理由を聞くと「ファミリーマートは日持ちのする適量の商品が少なく、在庫切れの場合も多い」のだとか。子育て中の人にとって、買い物でお店を何軒も回る時間はない。また調理を手早く済ませられる商品を、家にストックしておければいかに助かるか、改めて勉強させられた。すぐに、調査・改善に着手した。

社内だけでなく、社外の専門家に聞くのもいい。私は気になるテーマがあれば、その道のプロにどんどん会いに行き教えを請うようにしている。理解度が深まり、新たな発想も具体化していくのだ。