怒らせた原因を聞き、謝り倒す!

そんな地雷女とうまく付き合っていくために、藤田氏は以下の3つのステップを踏んでコミュニケーションを取るべきとアドバイスする。

ステップ1は、相手の言葉を否定する「でも」や「しかし」などの接続詞を使わないこと。

ステップ2は、否定的なニュアンスを肯定的に言い換えて伝えること。

ステップ3は、地雷女の主張を受け止め、共感を示す言葉を加えること。

たとえば地雷女の提案とは違う案を通したい場合は、「でも、スケジュール的に間に合わないだろう」などと否定的な言葉で一蹴するのではなく、まずは地雷女の提案に耳を傾ける。そして、「ああ、確かに。期日重視じゃなかったら、俺もA案を選ぶかもしれない」と肯定的な言葉を使って共感を示し、主張を認める。そのうえで、「残念だけど、今回はB案で行こうか」と伝えるのだ。

しかし、このような涙ぐましい努力を行っていても、地雷を踏んでしまうこともあるだろう。最後に、その場合の挽回法を諌山氏に聞いた。

「嫌われたり、怒らせたりした原因をまずは知ること。そして、真摯に受け止め、相手に謝ることです。どうしても原因がわからない場合は、怒っている理由を本人に直接聞いてみるといいですよ。相手があまりにも機嫌を損ねてしまっている場合は、初めのうちは答えてもらえないかもしれませんが、めげずに尋ねていると、相手も折れるものです。男性は面倒くさがってしまいがちですが、地雷女がほかの女性社員に話を広めて、結託・報復される可能性を考えると、そこは素直に頭を下げるのが得策です」

今後、会社に占める女性社員の割合は、ますます増えていく。地雷女をきっかけに、ほかの社員からの信頼を損ない、チームのコントロールが不能になってしまえば、「マネジメントができない」という理由で、昇進が見送られてしまう可能性もある。また、「女性の部下と何かトラブルを抱えている」と妻から疑いをかけられ、家庭不和につながるケースも珍しくない。出世や家庭を一踏みで破壊する地雷女を見分けながら、職場という名の危険地帯を無傷で渡りきってほしい。

諌山敏明
アチーブ人財育成社長。住友生命保険で営業社員の人材育成、採用を行い、2012年に独立。著書に『男性管理職のための女性部下マネジメント』がある。
 

藤田尚弓
コミュニケーション研究家、アップウェブ代表。地方警察署、銀座のクラブなどを経て、2006年より現職。著書に『悪女の仕事術』など多数。
 
(撮影=原 貴彦 写真=PIXTA)
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