「自分はこのままでいいのか」。40代を過ぎたビジネスパーソンであれば、それは深刻な悩みだろう。「習慣化コンサルタント」を名乗る筆者は、「そのとき『行動』に移せるかどうかで、人生の満足度は大きく変わる」という。行動に移したことで、新たに「生きがい」をみつけることができたという45歳と52歳のエピソードを紹介しょう。

40、50代「私の人生、今のままでいいのだろうか?」

「私の人生、今のままでいいのだろうか?」
「今の仕事で定年までいくのは耐えられない」
「一度しかない人生、納得できる生き方がしたい」
「本当の自分の心の声に従って生きたい」

40代を過ぎたビジネスパーソンの中には、こうした気持ちを抱いた経験がある人もいると思います。漠然とした不安や疑念。それを打開したいという除熱と焦り。心の奥底には、そうした感情が一緒になって眠っているはずです。

その解決は簡単ではありません。今回はこのような悩みを持った人からの相談から、「自らの生き方を見つけた」という事例をご紹介します。

▼ケース1:仕事に生きがいを見出せない小学校教師(45歳・女性)

Aさん(45歳・独身)は小学校の女性教諭です。公務員は給料も仕事も安定していますが、かなりの激務であり、また職員室を中心とした職場の人間関係は良好とは言えないそうです。クラス担任として子どもたちをケアする仕事にも、以前ほどのやりがいを見出すことができず、ここ数年は閉塞感を感じていました。

「自分らしいライフワークを見つけたいんです」

Aさんはそう私に心の内を語ってくれました。

相談を受けた私は、「Aさんが心からワクワクすることは何ですか?」と聞きしました。「ワクワクすること? えっと、何かな……」。Aさんは質問にすぐ答えることができませんでした。「子ども時代、学生時代、社会人時代で、時間を忘れてのめりこんだこと、ハマったこと、無条件に楽しめること……。何でも大丈夫です。どんなに小さなことでもいいので教えてください」。

しばらく頭をめぐらせたAさんは「ジャズ」というキーワードを口にしました。Aさんは大学時代にジャズ研究会に所属したことがありました。わけあって半年ほどで退部したものの、ジャズは当時も今も大好きだと言います。話していると、Aさんのジャズ好きはただ聞くだけにはとどまらないレベルであることがわかりました。そして、少し恥ずかしそうに、「実は、ジャズのボーカルに興味があるんです」と言いました。そこで、私は小さなチャレンジをすることを提案しました。

「初心者でも受け入れてくれるような、ジャズの同好会を探してみてはどうでしょうか?」

Aさんが「ジャズの会」とネット検索すると、比較的自宅に近く場所にジャズサークルがあり、そのレッスンに“ダメもと”で思い切って参加することにしました。すると、ここから運命が変わっていったのです。