「最後までヤルなんてサイアク。これレイプでしょ!」

劣勢一方の竣太さん。彼女はここぞとばかりに「あなたはレイプ犯だ」と言わんばかりの強力な核弾頭を着弾させたのです。

「(私は)途中で『嫌よ』と言った。それなのに最後までヤルなんてサイアク。これってレイプなんじゃないの!」

彼女はそんなふうに竣太さんをレイプ犯に仕立てようとしてきたのですが、私は竣太さんに当時のことを今一度思い出してもらいました。彼女は本当に「抵抗」したのでしょうか?

竣太さんは目を閉じて、あの夜を反芻した後、か細い声で話し始めました。その骨子はこうです。

・性交渉の最中、彼女は「いやん」といったやや甘い声を上げていた。
・竣太さんは彼女の声を「拒否」と受け取らず、あくまで「あえぎ声」と捉えた。

▼どこまでが「嫌よ嫌よも好きのうち」なのか

「嫌よ嫌よも好きのうち」と言いますが、結局のところ、言葉を発する側の意図と、受ける側の解釈、どちらが優先するのかです。「いやん」と「嫌!」ではニュアンスは180度、変わってくるでしょう。

写真はイメージです

もし、彼女が本当に苦痛でやめてほしくて「嫌!」と言ったのなら、彼女の言葉を無視して性交渉を続けたと断罪されても仕方がありませんしNOの意味だと斟酌できなかった竣太さんに問題があると言わざるを得ません。

私が竣太さんを通じて2人のトラブルの概要を聞いてきて感じたこと。それは彼女の気持ちは理解できる部分はあるもののLINE攻撃はあまりにも一方的で独善的で殺気立っていたということでした。竣太さんが恐れおののき震えあがってしまったのも無理はありません。中途半端に反応しようものなら揚げ足を取られて、ますます事態が悪化してしまうのではないかと何の“交渉”もできず、かえって彼女を怒らせてしまったのもいたしかたなかったかもしれません。

ただし、竣太さんが全面的に正しいとは言えません。

そもそもホテルの部屋には2人しかおらず「密室」だという点が裏目に出ています。よってお互いの言い分が食い違った場合、白黒をつけようがなく、竣太さんは客観的な反論ができません。