「両親にも会社にも、あんたがしたことすべてを話す」

最初のLINEから10日が過ぎようとしていた日。竣太さんの気を引くことができずに業を煮やしたのでしょうか。彼女がまたしても大噴火しました。

写真はイメージです

「あんたは外面だけいいから、周りからまともな人間だって思われているんでしょ。でも実際には真逆。欲望のまま生きるサイテー人間。本当の姿を周囲の人間に知ってもらおうよ。私に対して何をしたのかを!」

彼女はそうやって前置きをした上で、さらに復讐の中身を明らかにしたのです。

「ご両親にすべて話す。だって、あんたは都合の良いことしか伝えていないでしょ。最初から体目当てで近づき、『一緒になりたい』と甘い言葉をささやいて信じ込ませると強引にホテルに連れ込み、酒を無理に飲ませ、抵抗できなくなったところで力任せに押し倒したレイプ犯。そして都合が悪くなるとポイ捨てするような詐欺師に自分の息子を育てた覚えはないはず。きっとご両親は悲しむでしょうね!」

彼女は、竣太さんが実家を大事にしており、両親との関係が良好で「孝行息子」と思われていることを知っていました。だから、それを逆手にとってまるで両親を人質に取るような形で脅しかけてきたのですが、これだけで終わりませんでした。

▼「このまま今の会社にいられるかな?(笑)」

「まさか職場の上司はあんたがナンパ師で詐欺師、そしてレイプ犯だなんて知らないでしょうから、もし私への仕打ちの一部始終を知れば、大変だろうね。長年、築いてきた人間関係はパー。人事考課はボロボロになるでしょうし、これから一生、昇進・昇級できなくなって困るでしょうね。このまま今の会社にいられるかな?(笑)」

竣太さんはほとんどパニック状態です。

新卒で就職したこの会社には12年在籍しており、上司や人事部、取引先を良好な関係を築いてきました。竣太さんは私に言いました。「彼女との関係がうまくいっている頃、勤務先の会社名をポロっと漏らしてしまったことが致命的でした……」。

万が一、彼女が会社へ匿名で密告するようなことがあれば、竣太さんは社内で釈明に明け暮れなければなりませんし、最悪の場合、社内に居場所を失い自主退職に追い込まれるかもしれない。12年の努力がすべて水の泡に消える可能性もあることをリアルに感じたとき、竣太さんは目の前が真っ暗になったそうです。