結論+3つの理由+プラスアルファの「5ピース」
これらを踏まえた上で、上司に報告する際などに便利な手法が「5ピース(Five Pieces)」である。これは結論を先に述べてから、3つの理由を挙げ、最後にプラスαの情報を添えるという手法だ。
例えば、「8月は定例ミーティングを休みにしたほうがいい」と上司に進言する場合。まず、「8月は休みにしましょう」と提案内容(結論)を言う。「その理由は3つあります。8月はお盆休みがあります。子供の夏休みで家族旅行にでかける人も多いです。最後に他の部門もいないので、何か決めても先に進みません」と理由を説明する。最後に「だから8月は定例ミーティングを休んで、大事なことは7月中に計画を立てておきましょう」と添える。これで進言内容がより説得力を持って伝わるというわけだ。
「話すときは先に結論を話します。そのあとで、理由のアウトラインを示すと、しっかり耳を傾けてくれますね。さらに『10分でしゃべります』と言うのもいいでしょう。この習慣を身につけておくと、ふだんの日本語での会話も要点を押さえたトークができるようになるはずです」
以上、外国人上司とのコミュニケーションが進む4つのポイントを紹介してきた。最後の「(5)日本の「当たり前」は通用しない。日本独自の商習慣の説明を」は、外国人エグゼクティブにとって最大の悩みを解決するためのものだ。次回の記事で詳しく説明する。
河野木綿子 (こうの・ゆうこ)
仕事の英語パーソナルトレーナー。1960年生まれ。2000年ロンドン大学心理学部大学院卒。83年上智大学卒業後、西友入社、その後モルガンスタンレー、バクスター勤務を経てロンドンに留学。帰国後、2001年ファイザーにて人事部企画課長、採用課長、2009年シーメンスで採用・人材開発シニアマネージャーを兼任。2014年に独立後は管理職とビジネスオーナーの英語のビジネスコミュニケーション力開発を中心に活動。著書に『仕事の英語 いますぐ話すためのアクション123』『読むだけでTOEIC(R)テストのスコアが200点上がる本』などがある。
仕事の英語パーソナルトレーナー。1960年生まれ。2000年ロンドン大学心理学部大学院卒。83年上智大学卒業後、西友入社、その後モルガンスタンレー、バクスター勤務を経てロンドンに留学。帰国後、2001年ファイザーにて人事部企画課長、採用課長、2009年シーメンスで採用・人材開発シニアマネージャーを兼任。2014年に独立後は管理職とビジネスオーナーの英語のビジネスコミュニケーション力開発を中心に活動。著書に『仕事の英語 いますぐ話すためのアクション123』『読むだけでTOEIC(R)テストのスコアが200点上がる本』などがある。